駐車場事業を開業するときの初期費用と相場目安の一覧

駐車場事業を開業するときに必要な初期費用はいくらなのでしょうか?

ここでは、駐車場事業をはじめるうえでの初期費用とその項目や目安を紹介します。

そして私が実際に経営している「コインパーキング9台で初期費用400万円かかった例」を参考に、駐車場をはじめるときに初期費用がいくらかかったかについて、まとめて解説します。

先に答えを言います。

オーナーが初期費用をいくら負担するのかは、駐車場会社との契約条件によって変わります。

この初期費用の目安は、開業するときに知っておくことで駐車場会社との交渉がスムーズになるだけでなく、いまの駐車場収益をさらに増やしていくための改善もできます。

1.駐車場経営にかかる初期費用の項目と相場一覧

駐車場経営をはじめるうえで必要な初期費用は、大きく分けて3つあります。

(1)土地整備費
土地を整地し、アスファルトを敷いたり等して駐車場運営をはじめるまでにかかる費用です。

(2)看板設置費
駐車場に誘導するための広告看板や料金表などを設置するためにかかる費用です。

(3)機器・工作設置費
駐車場運営をする際に必要となる料金精算機や監視カメラを設置するためにかかる費用です。

駐車場会社との契約の際は、借り上げ家賃の「金額」だけで判断せず、これらの費用がオーナー負担として上乗せされると収益率が下がりますので注意してください。

1.1.土地整備費の相場一覧

土地の整備費です。(1)から(7)を順番に足してください。

土地整備費一覧
項目 費用目安 概要
(1)残置物撤去費 実費 残置物がある、基礎杭が埋まっている、雑草が生えている場合
(2)整地費用 1500円/㎡ ~ 掘削、残土処分、砂利敷、転圧。防草シート込み。(深さ10cm)
(3)舗装費用
 a. 未舗装 0円~
 b. コンクリート舗装 5000円/㎡ ~ 初期費用が高く、耐久性20年程度で要補修(深さ10cm)
 c. アスファルト舗装 3000円/㎡ ~ 初期費用が安く、耐久性10年程度で要補修(深さ5cm)
(4)ライン引き 5000円/台 駐車マスを区画する。一式表記が多い。
(5)車止めブロック 6000円/一箇所 1箇所当たり2つ設置。
(6)側溝敷設(排水) 実費
(7)重機運搬費用 5万円 ~ /回

※加えて、車が歩道から敷地内に出入りしやすいように「切り上げ工事」を行うこともあります。

事例①:未舗装の場合、駐車場台数5台、土地面積168㎡、合計金額は40万円でした。
事例②:アスファルト舗装の場合、駐車場台数8台、土地面積205㎡、合計金額は125万円でした。

これらの土地整備費用は、オーナー負担と駐車場会社負担のどちらか選択をします。

1.2.看板設置費の相場一覧

看板設置費一覧
項目 費用目安 概要
料金案内看板代 10万円 看板の大きさ、高さによります。
約定看板代 2万円
満室表示機 20万円 照明付き、電源引き込み工事代を含む
電飾看板 必要数に応じて

※駐車場会社によって大きく異なる場合もあります。見込み売上と初期費用のバランスを考えて交渉していきましょう。

これらの看板設置費用は、駐車場会社によって営業方針が異なりますので、他の駐車場会社と比較したうえで任せたほうがおすすめです。

1.3.機器・工作設置費の一覧

機器・工作設置費の一覧
項目 費用目安 概要
監視カメラ 1台万円~ 月5000円程度でリースもあり。
フェンス 2万円/m ~ 土台ブロック込、高さ60cm。
場内照明 1基3万円程度
料金精算機 1台65万円 精算機の機種によって機能や管理費の差が大きい。
精算用雨除けテント 9万円
フラップ板 13万円/台

※これらの設置工事費用は高く見積もられる場合も多いため、見積もり比較と交渉が重要です。

これらの機器・工作設置費は、オーナー負担と駐車場会社負担のどちらか選択をします。

2.私の事例:駐車場経営をはじめるきっかけ

では、私の場合はどうだったかといいますと、9台の時間貸し駐車場で初期費用は400万円でした。

ここからは、実際の私の事例を基に、駐車場経営には、どれぐらいの初期費用がかかるのか、もっと詳しく理解していきましょう。

まずは、私が経営している駐車場がこちらです。

一つの駐車場の中に、9台のコインパーキングスペースと、5台の月極めスペースがある、というものです。

この駐車場の立地は、大きな建物の裏手にあります。

2013年当初は、駐車場会社としても「営業がしにくい」ということで、借上げ賃料が低い状態でした。

とにかく、何でも、「あれが悪い、ここが難しい」と、駐車場会社より問題点を言われ続けますw

その結果、当初の駐車場会社からの借上げ賃料は9台で12万円でした。

採算がいまいち合わず、納得できずに1年くらい悩みました。

そこで父の友人で建築会社の社長に顧問となって頂き、経営改革に乗り出したことで、やっと一歩を踏み出すに至りました。

詳しくは以下のリンクを参考にしてください。

①「マーケティング調査」

駐車場経営って儲かるの!?基礎知識と儲けのノウハウまとめ

②「月極と時間貸しの選択」

駐車場経営を土地購入から始める時の土地の探し方や購入の注意点

9台は「時間貸し駐車場」、5台は「月極駐車場」を選択しました。

③「料金設定」

駐車場経営で収入を最大化するための知識と方法まとめ

④「営業方針」

また、近隣の店舗やマンションの住民に対してクーポン券を渡したり、割引券を販売することを、駐車場会社と共に計画することにしました。

⑤「駐車場会社との契約」

駐車場会社と「共同運営方式」で契約をしました。

一般的には、「借り上げ方式」で駐車場経営を始められる方が多いと思います。いずれにせよ、運営方式を決めるには、駐車場会社と打ち合わせを重ね、それぞれの方式で、収支がどうなるかのリサーチを徹底することが重要です。

3.私の駐車場でかかった400万円の初期費用の内訳

さて、この駐車場でかかった初期費用の内訳は次の通りです。

  • 土地整備費用:合計約100万円
  • 看板費用:合計約100万円
  • 設備費用:合計約200万円

それぞれ見ていきましょう。

3.1.土地整備費の内訳

費目 費用 備考
舗装 85万円 アスファルト舗装
ライン引き 4.5万円 5,000円/台 × 9カ所
車止めブロック 10.5万円 6,000円/1個(1箇所2つ)
フェンス 設置済み オーナー負担
合計 100万円
アスファルト舗装を行い、ライン引いたうえで車止めブロックを置いていく様子

アスファルト舗装を行い、ライン引いた上で車止めブロックを置いていく様子

駐車場の土地については、以下の3つの選択肢があります。

  • 未舗装のまま
  • アスファルト舗装
  • コンクリート舗装

月極駐車場であれば、未舗装のままでもよい場合があります。しかし、コインパーキングはアスファルト舗装をおすすめしています。この費用に関しては、駐車場会社からは「アスファルト舗装まではオーナー負担」という話をされると思います。

ここでのポイントは、土地の整備費用をオーナーが負担した場合は、交渉次第で借上げ賃料が上がります。これは数多くの事例を比較してわかったことの一つです。

3.2.看板設置費の内訳

費目 費用 備考
料金案内板と誘導看板 50万円 3ヶ所
約定看板代 5万円 1ヶ所
満室表示器 20万円 1ヶ所+電気工事
看板照明 25万円 3個×2ヶ所+電気工事
合計 約100万円

看板は、主に3種類あります。

  1. 料金案内版
  2. 誘導看板
  3. 満室表示器

これらを、どこにいくつ、どのようなサイズで設置するかによって、料金はもちろん異なります。

今回は、最終的に、その方が利益を高められると判断して、駐車場との契約方式として「共同運営方式」を選択しました。そのため、これらの費用は全て私が負担しました。しかし、借り上げ方式の場合は、看板設置費等は駐車場会社に負担してもらうことをおすすめします。

3.3.機器・工作設備費の内訳

費目 費用 備考
監視カメラと照明 10万円 2台 + 設置工事
場内照明 15万円 3ヶ所 + 電気工事
料金精算機 65万円 1台
精算用雨よけテント 屋内にあるためなし オーナー負担
フラップ板 120万円 1つ13万円 × 9台
合計 約200万円

駐車場の設備機器は、駐車場会社によって初期費用が大きく異なることがあります。

設備のグレードや、機器への投資は、しっかりと収支計算を行った上で、初期費用と駐車場収入のバランスから判断しなければなりません。

まとめ:利用者目線で駐車場会社と協力して儲けることが大切

駐車場経営(コインパーキング)を行ううえで、一概に、「初期費用はこれだけかかる」からどうしようと悩んでいてもはじまりません。

なぜならば、駐車場会社との交渉と運営方法によって、収入が大きく異なってくるからです。

大切なのは、順序を守った上で、どこまで初期費用をかけるかという投資対効果を調べることです。

なお、駐車場経営をさらに詳しく知りたい方は、『駐車場経営にかかる経費一覧と目安を初心者にもわかりやすく解説を参考にしてください。私の5年間の実績を紹介しています。

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