駐車場経営にかかる経費一覧と目安を初心者にもわかりやすく解説

駐車場経営をはじめるうえでどのような経費がかかるのだろうか…?

そう思われて、「初期費用」や「経費」を下げるための方法を調べている方は多いと思います。

駐車場会社はたくさんありますし、一括見積のホームページもあります。しかし、結局、どこに問い合わせても「応相談」という記載ばかりで、どれぐらいの経費がかかるのかわかりません。

そこで、駐車場会社に見積もりを取るときに気を付けたいポイントは、この2点です。

1つ目は、駐車場会社に最初からすべてお任せするのは控えましょう。

たとえば結婚式の見積もりのように、会場を決めた後に「これも追加」「あれもオプション」といったかたちで、どんどん見積もりが上がってしまうことが多いからです。

2つ目は、借上げ賃料が一番高い駐車場会社を選ぶことが正解ではありません。

なぜならば、借上げ賃料の高い駐車場会社が見つかったとしても、その代わりに初期費用や運営経費が高いこともあるからです。

つまるところ、駐車場経営で収益をしっかり得るためには、駐車場を始めるときにかかる初期費用と運営にかかる経費を把握をすることが何よりも重要なのです。そして、駐車場会社との交渉の際は、これらをあらかじめ明確に把握していなければ、駐車場経営で成功するための土台にすら乗れないのです。

結論から言うと、駐車場経営で把握しておくべき費用は、大きく3つに分かれます。

  1. 初期費用
  2. 運営費用
  3. 撤収費用

これらをぜひ、しっかりと抑えておいてください。特に、「土地オーナーと駐車場会社のどちらが一般的に費用を負担するのか」という点にご注目頂ければと思います。

1.駐車場経営の初期費用

駐車場経営をはじめるときに、最初に必要となるのが初期費用です。重要なのは次の3つです。

(1)土地整備費
土地を整地し、アスファルトを敷いたり等して駐車場運営をはじめるまでにかかる費用です。

(2)看板設置費
駐車場に誘導するための広告看板や料金表などを設置するためにかかる費用です。

(3)機器・工作設置費
駐車場運営をする際に必要となる料金精算機や監視カメラを設置するためにかかる費用です。

1.1.土地整備費とは?

土地整備費とは、更地を駐車場にする場合に必要となる整備費用です。

一般的に土地整備費は土地のオーナーが負担します。

たとえば、このように砂利敷きのままで土地が未舗装の状態でも、駐車場として貸すことはできます。

しかし、考えてみてください。

砂利が飛んで車が傷ついたり、不審者が侵入して車を傷つけられたりするリスクがあるので、高級車は停めにくいですよね。

ですから、未舗装の場合は土地の借上げ賃料は低い状態といえます。

そこで、「舗装」を考えるとよいでしょう。

舗装では、「アスファルト舗装」が一般的です。

工事費としては、初期費用は未舗装であれば1㎡あたり3000円、アスファルト舗装であれば1㎡あたり6000円程度で土地を整備することができます。

ここで、土地整備費を、土地のオーナーが負担するか、駐車場会社が負担するかで借上げ賃料の交渉をすることができます。つまり、駐車場会社が土地整備費用を負担する場合はオーナーに支払う借上げ賃料が低くなってしまうのです。

私の経験でいえば、土地整備にあたり、60万円/月での駐車場会社負担による借上げと、80万円/月での土地オーナー負担による借上げを選ぶという交渉になりました。初期費用が200万円程度であったので、たった10カ月程度で損益分岐点となるならば、初期費用はオーナー負担の方が断然お得なのです。

土地整備費一覧
項目 費用目安 概要
(1)残置物撤去費 実費 残置物がある、基礎杭が埋まっている、雑草が生えている場合
(2)整地費用 1500円/㎡ ~ 掘削、残土処分、砂利敷、転圧。防草シート込み。(深さ10cm)
(3)舗装費用
 a. 未舗装 0円~
 b. コンクリート舗装 5000円/㎡ ~ 初期費用が高く、耐久性20年程度で要補修(深さ10cm)
 c. アスファルト舗装 3000円/㎡ ~ 初期費用が安く、耐久性10年程度で要補修(深さ5cm)
(4)ライン引き 5000円/台 駐車マスを区画する。一式表記が多い。
(5)車止めブロック 6000円/一箇所 1箇所当たり2つ設置。
(6)側溝敷設(排水) 実費
(7)重機運搬費用 5万円 ~ /回

1.2.看板設置費とは?

看板設置費とは、駐車場として広告、営業をする上で必要となる看板や料金表を指します。

駐車場経営は、駐車場会社によって会社のデザインや料金体系が異なるため、一般的に看板費用は駐車場会社が負担します。

この費用に対する考え方を一言で表すならば、「どこに看板を設置して駐車場営業をするか?」です。

つまり、看板費用は単純に費用をかければ売上が上がるわけではなく、どこに設置するか?によって成果が変わるのです。

とはいえ、素人には看板の大きさ、照明の量、看板の位置や角度といった要素は分かりづらいですね。

ここは駐車場会社の営業力に左右されますので任せた方が良いところです。

電飾看板と満室表示機

電飾看板と満室表示機

駐車場の各入口に設置する案内看板

駐車場の各入口に設置する案内看板

電源を引き込んでの照明設置

電源を引き込んでの照明設置

看板設置費一覧
項目 費用目安 概要
料金案内看板代 10万円 看板の大きさ、高さによります。
約定看板代 2万円
満室表示機 20万円 照明付き、電源引き込み工事代を含む
電飾看板 必要数に応じて

1.3.機器・工作設置費とは?

機器・工作設置費とは、駐車場を運営するにあたり、防犯上必要となる監視カメラや料金精算機器などの工作物設置を指します。

ここで考えておくべきポイントとして、駐車場経営は「月極駐車場」か「時間貸し駐車場」によって初期費用や運営経費が大きく異なります。

つまり月極駐車場の場合は少ない初期費用ではじめることができますが、コインパーキングなどの時間貸し駐車場の場合は様々な機器・工作物をはじめに設置する必要があります。

運営方式によって、初期費用については、土地オーナーあるいは駐車場会社が費用負担します。

機器・工作設置費の一覧
項目 費用目安 概要
監視カメラ 1台万円~ 月5000円程度でリースもあり。
フェンス 2万円/m ~ 土台ブロック込、高さ60cm。
場内照明 1基3万円程度
料金精算機 1台65万円 詳しくは要見積。
精算用雨除けテント 9万円
フラップ板 13万円/台

※これらの設置工事費用は高く見積もられる場合も多いため、見積もり比較と交渉が重要です。

フラップ式の場合

フラップ式の場合

料金精算機と約定看板

料金精算機と約定看板

1.4.初期費用の相場(参考事例)とは?

Case1:月極駐車場5台での借上げの場合

事例①未舗装、駐車場台数5台、168㎡の場合、初期費用の合計金額は40万円でした。

事例①での収入結果、駐車料金9000円/台×5台=4.5万円/月額収入

Case2:月極駐車場8台での借上げの場合

事例②アスファルト舗装、駐車場台数8台、205㎡の場合、初期費用の合計金額は125万円でした。

事例②での収入結果、駐車料金15000円/台×8台=12万円/月額収入

Case3:時間貸し駐車場9台での共同運営の場合

事例③初期費用がアスファルト舗装の場合、駐車場台数9台、約300㎡の場合、合計金額は400万円でした。

事例③での収入結果、駐車料金50000円/台×9台=45万円/月額収入

なお、運営方式によるメリットとデメリットについては、駐車場経営って儲かるの!?基礎知識と儲けのノウハウまとめ』をご覧ください。

2.駐車場経営の運営費用

駐車場として貸して、運営あるいは管理をする上で必要となるのが運営にかかる費用です。運営費用では、主に、

  1. 管理費
  2. 税金
  3. その他水道光熱費等

がかかります。

2.1.管理費用一覧

管理費用とは、通常の不動産管理とおなじく、土地や建物を管理する上で必要となる清掃、警備、設備の管理を指します。

例えば、駐車場にゴミや落ち葉が溜まることも多いため、日々の清掃は不可欠です。

また、監視カメラを設置することで不審者の侵入や違法駐車を未然に防ぐことができます。

そして設備が定期的にメンテナンスされていれば、機器故障の頻度も下がります。

これらの管理費用については、運営方式によって土地オーナーあるいは駐車場会社が費用負担します。契約の方式によって運営費用と、その後の収入分配が変わります。

管理費用一覧
項目 費用目安 概要
集金・清掃 月額1万円~ 週に2回/3時間
警備 月額1万円~ 有人警備/機械警備(緊急対応コールセンター)
設備修繕 実費

2.2.税金一覧

税金とは、土地や建物、工作物を所有することで支払わなければならない税金を指します。

駐車場経営を事業として行う場合、その収入によって得られた利益に対して税金(収入課税)がかかります。

また土地や建物、工作物を所有することで毎年一定の税金(資産課税)がかかります。

これについては、『不動産を保有するうえで知っておくべき資産税まとめ』で解説しています。

消費課税については、場合によっては徴収する必要がない場合があります。

これについては、『駐車場経営のための税金の一覧まとめと賢い攻略方法』でまとめています。

これらの税金については、土地オーナーが費用負担します。

税金一覧
項目 費用目安 費用
収入課税 所得税・法人税 収入に応じて課税される。
資産課税 固定資産税・都市計画税 毎年一定額が課税される。
消費課税 消費税・地方消費税 駐車場経営方法によっては課税される。

2.3.水道光熱費等一覧

水道光熱費とは、駐車場を運営する上で必要となる電気代、水道代を指します。

地域によっては町内会費がかかる場合もあります。また駐車場内で事故が起こった場合の損害保険や火災保険も加入する必要があるでしょう。

これらの水道光熱費については土地オーナーあるいは駐車場会社が費用負担します。契約の方式によって運営費用と、その後の収入分配が変わります。

水道光熱費一覧
項目 費用目安 概要
保険料 月額2000円~ 面積と駐車台数に応じて保険加入
水道光熱費 月額4000円~ 機械の電気代と清掃する際の水道代
町内会費 実費 月額数百円程度

※保険については、土地建物全体にかける火災保険と、設備が落下して人に当たったりなど駐車場内で何らかの原因で人に怪我をさせてしまった場合の保険(施設賠償責任保険)の二つは必須です。詳しくは、「法人の火災保険|加入・更新の時のポイント」と「施設賠償責任保険とは?補償内容と必要性」をご覧ください。

3.駐車場経営の撤収費用

駐車場経営を止める、あるいは駐車場会社を変更する場合に必要となるのが撤収費用で、主に、

  1. 契約者対応費
  2. 違約金
  3. 原状回復費

がかかります。

3.1.契約者対応費一覧

契約者への対応とは、駐車場利用者に対して駐車場の利用方法や、駐車場の管理会社を変更する場合での事情説明などを指します。

例えば駐車場会社を変更する場合です。

これまで契約していた駐車場会社と新しい駐車場会社との間で管理の引継ぎを行います。

その際に、現在の駐車場利用者に対して毎月の家賃振込口座の変更や契約内容の変更をお願いすることがあります。一般的には3カ月前までにオーナーから解約予告をすれば、駐車場会社が費用負担して変更手続きをしていただけます。

しかし、駐車場を月極駐車場からコインパーキングに変更する場合は注意が必要です。現在の駐車場利用者に対して月極契約終了や、場合によっては立退きをお願いしなければなりません。その場合は一般的にオーナーが負担する場合もあります。

これらの契約者対応については、駐車場会社が費用負担します。

契約者対応費一覧
項目 概要
契約者説明 駐車場契約者への契約あるいは解約のお知らせ
契約者退去費 駐車場契約者への立ち退き
契約書変更 駐車場契約者への契約内容や振込口座の変更

3.2.違約金一覧

違約金とは、現在の駐車場会社を変更あるいは駐車場利用を止める場合に、駐車場会社や契約者に対して支払う費用を指します。

駐車場会社との契約では、一般的に駐車場会社側に有利な契約となっていることが多く、最初の契約の際に交渉をしない限り、違約金は土地オーナーが費用負担をしなければならないでしょう。

違約金一覧
項目 概要
契約期間 契約期間内の解約の場合は月額賃料の3ヵ月分程度(土地オーナーの都合のみ)
解約告知 通常は月額賃料3ヶ月前解約告知

※最初の契約によって、違約金の内容は様々なので、必ず確認しておきましょう。

3.3.原状回復費一覧

原状回復費とは、現在の駐車場会社を変更あるいは駐車場利用を止めた場合に、土地を元のに戻すために必要となる費用を指します。

原状回復は、駐車場会社との契約時において、契約当初はどのような状態であったのかを証明あるいいは双方確認をしておく必要があります。

ここでしっかりと現状を確認しないことによって起こるトラブルとして、次の駐車場会社へ切り替えた場合に補修費用や設備撤去費用がオーナー負担となってしまうことです。住居とは違い、原状回復についてのガイドライン等もありませんので、すべて駐車場会社と交渉になります。

よって、原状回復費用は土地オーナーあるいは駐車場会社が費用負担をします。

原状回復費一覧
項目 概要
舗装工事 駐車場会社との契約では「現状有姿のまま引き渡し」が多い
機器類撤去費 駐車場会社負担、ただし契約期間内解約の場合は買取請求もある
看板撤去費 駐車場会社負担

原状回復は、契約書に書いてあっても、そもそもオーナー側が、「契約当初の現状」を証明できなくて、トラブルになるケースもありますので、『駐車場経営に失敗しないために前もって知っておくべき11のトラブルの種』もご確認ください。

まとめ

駐車場経営を始める際にかかる経費についてはほとんど情報がなく、また自ら機器購入する場合には価格の比較することが困難ですので私も苦労しました。

駐車場会社はたくさんありますし、一括見積のホームページもあります。

しかし、見積もりを取るうえで気を付けたいことは、「駐車場会社選び」ではありません。契約の時に「駐車場家鋭意をはじめるときにかかる経費の交渉をすることです。駐車場会社から「舗装工事まではオーナー負担」あるいは「外構工事まではオーナー負担」といわれ、法外な初期経費の見積もりを受けてしまっては、元も子もありません。

私の経験では、駐車場を始めるときにかかる経費を最初に調べておくことで、駐車場会社との交渉を有利にすすめることができることは明らかです。

これについては、プロに任せるという判断も私は経営者としておすすめしていますので、よろしければお問い合わせフォームよりご質問をいただければと思います。

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