実例に学ぶ!はじめての土地活用の前に絶対に知っておくべきノウハウまとめ

土地活用とは、「使っていない土地や収益性の低い利用地を、より効率的に活用すること」です。

空き地や駐車場を活用するうえでは、その土地にアパートやマンションを建てることが一般的です。

ここでは、「土地活用した人の本音を聞いてみたい」、「事業として土地活用で成功している人の考え方を知りたい」、と思っている人のために土地活用のプロの視点から解説していきます。

今回は、代表的な土地の活用方法から最新事例まで、土地活用を「いち」から始めるうえで大切な手順と基礎知識をまとめて紹介していきます。

また、土地活用のプロから見る、「どんな立地を評価し、どんなポイントを比較しているのか?」について、私たちの経験をもとに徹底攻略します。実践的な評価方法については以下もご覧ください。

≫ プロがやさしく教える土地活用10個の評価方法とポイントまとめ

1.土地活用(とちかつよう)とは?

土地活用とは、「使っていない土地や収益性の低い利用地を、より効率的に活用すること」です。

具体的には、空き家や更地などの未利用地や、駐車場や物置などの収益性の低い利用地が「対象」となります。

土地活用をするうえで、不動産オーナーが最初に考えるべきことは、

  • >>税金
  • >>維持費用
  • >>空室

の3つが挙げられます。

これは、私自身が体験したからこそ分かったことですが、土地活用してすぐに収益を得たい!と思っても、「何から始めればよいのか分からない」というのが最初の悩みでした。

そこで、土地を持っているみなさんへ、土地活用を始めるうえでの「そんな悩み」に対してどのように考えていくべきかを分かりやすく解説していきます。

1.1.税金の悩み

まずは「税金」が挙げられます。

不動産の所有者には、毎年、固定資産税や都市計画税といった税金がかかります。

また、不動産を相続する際には、相続税や譲渡税といった税金もかかります。

さらに、不動産で利益が出たら、所得税や法人税がかかります。

とにかく、いろんな税金がかかるので本当に税金対策ができるのか不安ですよね。

実際に、私の場合は田舎に土地があったので、何も使っていない土地にも「税金」がかかっていました。父は「どうすることもできない」と諦めていましたが、放置をしても相続の際には「税金」がかかるので真剣に考えるようになりました。

1.2.維持費用の悩み

土地や建物を維持していくうえでの維持費用がかかります。

また、何年かに一度は建物の大規模修繕費用がかかります。

たとえば、定期的に清掃(除草等)を行ったり、不法投棄などを監視するために警備もしなければなりません。また、建物があると、その建物が老朽化したり、崩れたりする危険性があるので、近隣からクレームがくることもあります。

このように、私の祖父が所有していた古い住宅も、後で分かったことですが、収入よりも維持修繕による支出の方が多かったので、結局損していることが分かりました。

1.3.空室の悩み

また、今後は不動産を人に貸すのが難しいという悩みもあります。

空き家戸数の推移予測

2020年には、日本の空き家が1000万戸を超え、7戸に1戸が空き家という時代が現実のものとなりました。野村総合研究所が発表した資料では、日本の空き家の戸数は2033年に2147万戸となり、15年後には3戸に1戸が空き家となる時代が到来すると予測されています。

このように、人口の減少や地域の経済が衰退することによって、賃貸用不動産の需要が少なくなり、不動産を人に貸すのが難しいという空室問題があります。

2.土地活用での貸し方(メリットとデメリット)

そこで、土地活用の原点に立ち返り、「土地活用って何からはじめるのか?」を解説します。

まず土地活用では、さまざまな「土地や建物の貸し方」から考えていきましょう。

<ポイント①>建物を貸す

建物を建てて人に貸す方法があります。

代表的な土地活用はアパートやマンション等の「住宅用」です。

また都心であれば事務所、店舗、病院、ホテル等の「事業用」があります。

<ポイント②>土地を貸す

建物を建てずに土地のまま活用する方法があります。

代表的な土地活用は「駐車場」です。

またどんな用途であれ土地を借りてくれる人がいるならば貸す方法があります。

郊外にある工場や営業所、倉庫等で貸すことが多く、「借地」です

建物を貸す  土地を貸す
住宅用 事業用 駐車場 借地
安定性
収益性 ×
建築費
節税効果 × ×

土地活用の選び方

2.1.安定性を考える

安定性とは、毎年、安定した収入が入ってくるかどうかという指標です。

たとえば、賃貸として土地や建物を貸したときに、空室期間が少なかったり、すぐに次の入居者が見つかることです。そこで考えることの1つが「空室期間」「収益性」です。

<住宅用>

アパートやマンションなどの住宅用(賃貸住宅)は、安定性が高く、入居者の入れ替わりの際の期間も短いため、空室期間が短いのがメリットです。ただし、建物が古くなると空室期間が長引いてしまい、収入が不安定となります。

<事業用>

事務所や店舗などの事業用は、安定性が低く、賃貸経営の難易度が高くなりますが、収益性が高いのがメリットです。

たとえば、景気の波によって家賃や空室率が左右されます。また、入居者募集の際は、業者さんとの交渉もハードルが高く、入居者の撤退リスクもあるので管理の難易度が高いのがデメリットです。

<駐車場>

近隣に住宅用や事業用の建物があるならば、駐車場として貸すことも1つです。駐車場は、安定性が高く、難易度も低いですが、収益は見込みにくくなります。

但し、立地によっては駐車場の方が住宅用よりも高く収益が見込める可能性もあります。

<借地>

借地とは、土地をそのままの状態で貸すことです。

不動産オーナーにとってはお金を一切出さずにそのまま土地を貸すことはでき、空室期間がないのがメリットです。収益性が低くなるというデメリットがあります。

安定性を重視するなら住宅用や借地をおすすめします。

2.2.収益性を考える

収益性とは、家賃収入が多く得られるかどうかという指標です。

アパートやマンションなどの住宅用は、駅からの距離、立地環境、家賃相場によって、ある程度は収益性を想定して事業を始めることができるのでおすすめです。

ただし、全国で賃貸住宅が飽和状態にありますので、賃貸需要が見込めない地域に限っては、収益性が見込めない事例も増えていることを念頭に置きましょう。

事務所や店舗などの事業用は、収益性が必ずしも高いというわけではなく、実は、立地環境や土地の形状などによって異なります。

店舗

たとえば、「貸し店舗」は道路に面した大通り沿いの方が市街地よりも家賃が高い場合があります。当然ですが、借り手(入居者)は、貸し手(オーナー)から土地や建物を借りて商売をします。そこで、オーナーとしては、人気の高い入居者さんを見つけていけば、家賃が高くなる可能性があります。

収益性を重視するならば事業用をおすすめします。ただし、立地や土地の形状に適した活用方法を考える必要があります。

2.3.建築費を考える

建築費とは、土地を造成したり建物を建てるときに必要となる費用です。

当然ではありますが、建物を建てるにはお金がかかります。そして、建物の用途を決め、その建物を人に貸すことで家賃収入が得られます。建築費は一般的に20年~30年をかけて返済していきます。

たとえば、5階建ての高い建物を建てれば、その分、入居者からの収入も増えるので建築費は高くなります。反対に、2階建ての低い建物を建てれば、建築費は少ないが収入も少なくなります。

一般的に、規模の大きい、階層の高い建物を建てれば建築費が高くなります。

2.4.節税効果を考える

節税効果とは、税金を支払う額が下がることを指します。

不動産を運用することで見込める節税効果としては、次の3つを押さえておきましょう。

  1. 所得課税が下がる(所得税、法人税)
  2. 資産課税が下がる(相続税)
  3. 消費課税が下がる(消費税)

なお、この税金について詳しく知りたい方は、『不動産を保有するうえで知っておくべき資産税まとめ』をご覧ください。

3.土地活用の種類と特徴

土地活用は、「人が住むため=居住用」という不動産の使い方だけではありません。

不動産の使い方には、居住用だけではなく、事務所、店舗、駐車場、倉庫など、様々な使い方があります。土地活用の手段は少なくとも30種類以上あり、これらは「事業用不動産」と言われています。

大きく分けると、次の3パターンになります。

3.1.土地活用Aパターン

収益性は低いが、収益の予測がしやすい土地活用です。

主にアパート・マンション・駐車場・倉庫等の10種類があります。

3.2.土地活用Bパターン

収益性は高いが、収益の予測がしにくい土地活用です。

主に事務所・店舗・診療所・高齢者施設・ホテル等の13種類があります。

3.3.土地活用Cパターン

条件次第で収益が大きく変わる土地活用です。

主に交通広告・自販機・太陽光・アンテナ等の7種類があります。

詳しくは、『プロから学ぶ不動産投資の30種類の用途をメリットで分析』をご覧ください。

4.土地活用のメリットとデメリット

不動産オーナーが土地や建物を人に貸して収入を得ることを、「賃貸業」と言います。

賃貸業のイメージ図

出所:一般社団法人不動産オーナー経営学院/賃貸業の収支とは

この図のように、不動産オーナーは土地や建物を所有し、それを人に貸すことで賃貸料を得ます。この賃料収入から管理支出を引いた利益を残していくことが、賃貸ビジネスです。

土地活用のメリットとデメリットは、次のようになっています。

《土地活用のメリット》

  • 安定した収益
  • 有効な税務対策
  • 効率的な資産分配

《土地活用のデメリット》

  • 管理が必要
  • 賃貸経営の難易度が異なる
  • 初期投資が必要

4.1.不動産の管理が必要

賃貸業は、土地や建物の管理をしていかねばなりません。

不動産のリスク

たとえば、賃貸業は手放しで収益が得られることはなく、しっかりとリスクを考えていく必要があります。建物を人に貸している場合は、老朽化や、家賃の滞納といったリスクがあります。

人口減少や経済が衰退している地域では、空室や賃料下落によるリスクも考えていく必要があります。このように、将来的に不動産を維持したり、管理をしたりすることを考えておきましょう。

4.2.ビルや店舗は難易度が高い

賃貸業は、用途によって経営難易度が異なります。

賃貸業の難易度

賃貸業を始めるならば、戸建てや借家などの「戸建て」や、アパートやマンションなどの「集合住宅」をおすすめします。入居者が「個人」であり、物件の賃貸管理をする上では、お金の流れがわかりやすいことや、賃貸経営のノウハウも容易に得ることができます。

次に、ビルなどの「事務所」をおすすめします。入居者が「法人」のため、賃貸管理を行う上ではトラブルなどのリスクが少ないことや、一度入居すれば比較的長期間に渡り賃料を得ることができます。

そして、最も難易度が高いのが、飲食店や物販店などの「店舗」や「倉庫」です。トラブルや滞納なども多く、賃貸管理をする上ではリスクが高くなりますが、賃料売上が高いのが魅力です。

ただし、これらの用途を提案する仲介会社や入居者を管理する専門の管理会社が少ないため、なかなか賃貸業が実現しないのも理由の1つです。

4.3.初期投資が必要

土地活用をする上で、初期投資がかかります。

主なものを見ていきましょう。

《土地活用の主な初期費用》

  • 土地取得費(仲介料)
  • 土地造成費
  • 建築費
  • 設備費
  • 施工管理費
  • 法務関係費(登記料)
  • その他コンサルティング費

専門的な話ではありますが、初期投資がかからない、初期投資の少ない土地活用方法があります。上記の初期投資の費用を折半する際には、開発会社やテナントとの交渉によって決めることができます。

5.土地活用の進め方

では、実際に土地活用を行う上での進め方を見ていきましょう。

土地活用

もちろん、すぐに業者に相談して対象となる土地の周辺環境や、家賃相場などを調べるという手順でも間違っているとは言いませんが、その前に、まずは土地の現状把握や、法律、行政法規などを分かりやすく説明しますので、そこを押さえておくとよいでしょう。

5.1.用途地域を調べる

不動産の用途(ようと)とは、対象となる不動産をどうやって使うのかの使い道のことです。

不動産を利用する際は、用途地域といって、土地をどのように使ってよいかということに対して、日本では「制限」が設けられています。これは、都市計画法に基づく制度です。

都市計画表に基づく制度

参考:地域における住居の環境の保護または業務の利便の増進を図るために、市街地の類型に応じて建築を規制するべく指定する地域。13種類あり、種類ごとに建築できる建物の用途、容積率、建ぺい率などの建築規制が定められている。

そのため、建物を建てる際は、対象となる敷地が「建築できる建物の用途等を定めた地域」であるかを最初に調べていきましょう。

5.2.用途から決める(住居、商業、工業)

建物の用途は、主に次の3つの分かれます。

住居系
②商業系
③工業系

アパートやマンションなどの集合住宅は、①住居系です。誰が使うのかというと、「人」です。

住居系

この住居系は土地活用では王道であり、最も多くの人が活用している手段です。

次に、事務所や店舗などは、②商業系です。誰が使うのかというと、「企業」です。

商業系

また、事業用倉庫や太陽光発電などは、③工業系です。誰が使うのかというと、「物」です。駐車場も車を置くので、工業系です。

用途 利用者 土地活用例
①住居系 アパート、マンション、戸建など
②商業系 企業 事務所、店舗、診療所、病院、介護施設など
③工業系 物流倉庫、物販店舗、工場、駐車場など

建物の用途

①住居系と②商業系と③工業系の一番の違いは、人が住むかどうかです。人に貸す場合は、「借家権」という権利が発生します。

5.3 収益性から決める

収益性とは、土地や建物を人に貸して収入を得る賃貸業において、どれだけ効率的に収益が得られているかという指標の1つです。

一般的に、投資したお金に対して何年で回収できるのかという期間(投下資本回収)を利回りで表します。一般的な土地活用の利回りの目安は、次のようになっています。

《土地活用の利回りの目安》

  • 戸建(一棟、借家):8年(建築利回り10~13%)
  • 集合住宅(木造アパート):10年(建築利回り10%)
  • 集合住宅(鉄筋マンション):12年(建築利回り8%)
  • 事務所ビル(鉄筋、鉄骨ビル):12年(建築利回り8%~10%)
  • 店舗・物販(鉄骨、軽量鉄骨):8年(建築利回り10~13%)
  • 駐車場:5年(建築利回り20%)

土地取得費を除く。賃料収入÷投資総額を建築利回りで表したもの。

この数値は、あくまで、リーマンショック後からの10年程度の体感値です。この数値を上回る収益率を目指していかないと、10年先の賃貸業を考えるうえでは厳しいと言えるでしょう。

とはいえ、アパートやマンションを例にとると、どの場所でも収益性が一定であるという保証はありません。

たとえば、次の写真のように、農地のど真ん中にアパートを建てたとしても、日本全国で建築費はそこまで変わりませんが、家賃は当然ながら異なります。

そのため、アパートを建てることを否定する建売会社や建築メーカーの営業マンはいませんが、家賃が得られるかどうかは「オーナー(事業主)の責任」です。

収益性については、立地環境によって異なることを認識しておきましょう。

5.4.土地の形状から決める

土地の形状

土地の形状とは、敷地の形や、高低差、面する道路の幅などを指します。

この土地の形状が不整形であったり狭かったりすると、建物が建たないことがあります。その場合においても、駐車場や倉庫といった土地活用の方法もあります。

この土地の形状を基に、様々な土地活用の手段があります。そして、土地の形状によって、次のように不動産の売買評価が変わります。

土地の鑑定評価

土地の鑑定評価

出所:一般社団法人不動産オーナー経営学院

5.5.容積率や建ぺい率を調べる

土地活用では、その地域で定められた行政法規を守る必要があります。その1つが、都市計画です。

敷地に対してどのくらいの面積を建築面積に使ってよいのかを定めた建ぺい率や、どのくらい延べ床面積を使ってよいのかを定めた容積率を知っておくとよいでしょう。

  1. 都市計画法:住みやすい街づくりのために、土地の使い方を定める法律です。
  2. 建築基準法:建物の敷地や構造についての基準を定める法律です。
  3. 建ぺい率・容積率:その土地に建てられる建物の大きさの上限を定めたもので、都市計画法や建築基準法の中で決められています。建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積(真上から見た面積)の割合。容積率とは、敷地面積に対する延べ床面積(各階の床面積の合計)の割合。

5.6.土地や建物を貸す契約パターン

賃貸業を営む上で、不動産オーナーは入居者とどのような契約関係を結ぶかが重要となります。

主な契約パターンは、次の4つです。

  1. 借地(しゃくち):土地をそのまま貸す
  2. 借家(しゃっか):オーナーが建物を建てて、複数の入居者に部屋を貸す
  3. 建て貸し:入居者の希望に沿ってオーナーが建物を建てる(借家)
  4. 借上げ:オーナーが建物を建てて、全ての部屋を1人(1社)の入居者に貸す(借家)

ここで伝えておきたい大切なことは、土地や建物の利用者(入居者)と、何年間、どのような契約条件で、賃貸借契約を結ぶかというビジネスモデルをしっかり組み立てておくことです。

まとめ

あなたに伝えたいことは、どんな土地も二つとない唯一無二の土地だからこそ、土地活用の方法をしっかり調べていただきたいということです。

  • 自分の土地に適した土地活用はないか
  • もっと投資利回りの高い土地活用はないか
  • 成功している土地活用のモデルはないか

かく言う、私も土地活用の方法について探している1人でした。

私は地主の三代目で、祖父より引き継いだ資産の多くを、父の代で相続争いや賃貸経営の失敗によって失いました。だからこそ、私がオーナーの立場として、土地活用は、「儲けること+続けていくこと」を前提とすることが大切だと思いました。

根幹は、「まずは業者探し」をするのではなく、まずは土地活用の種類別の立地条件を参考にして、誰が土地や建物を利用するのかというターゲットを想定することです。

こういった全国の不動産オーナーの悩みに対して、これまでに大小様々な土地活用の成功パターンを研究してきました。そして、多くのみなさんの成果に繋げることができました。

あなたが土地活用で成功できるように、今後とも有益な情報を提供してまいります。

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